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2011.11.21 悪魔召喚
男は3ヶ月前、息子を轢き逃げで亡くしていた。
妻に先立たれ、男手一つで育ててきた息子だけが生き甲斐だった男は、犯人を殺したいほど憎んでいた。
犯人は捕まったが、これでは容易に復讐も出来なくなってしまった。

ある日、男は古本屋で【悪魔召喚】と書かれた一冊の本を手に入れた。
こんなモノを信じてはいなかったが、何も出来ない自分が許せなかった男は“悪魔”を呼び出してみる事にした。
見事、悪魔は現われた。

悪魔「…お前の望みはなんだ?」
男「息子を殺した奴に復讐がしたい!殺してやりたい!」
悪魔「…前払いで“お前の死”を報酬として貰うが良いか?」
息子を失った男は、自分の命など惜しくはなかった。
男「ああ…それで構わない…」
悪魔「…ならば契約成立だ」

数日後、轢き逃げ犯が謎の死を遂げたと聞いた男は、悪魔との契約の事を思い出した。
男「前払いで“私の死”ではなかったのか?だが私は生きている…。奴は悪魔に殺されたわけではないのか?あの悪魔は嘘を吐いたのか?」

そんな疑問を抱え数日が過ぎた頃、再び男の前に悪魔は現れた。

悪魔「…契約は果たした…さらばだ…」
男「待ってくれ!あんたは“私の死”を報酬にしたはずだ!…なのに、何故私は生きている!?」
悪魔「…たしかに報酬は“お前の死”だ、勿論きちんと頂いた」
悪魔は笑いながら、最後の言葉を残して消えた。




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ストリートギャルズ 素人無修正動画
2011.11.21
その男は悪事を重ねて大金を儲けていた。
しかし、最近それが発覚しそうになり、外国に逃亡しようと思い立ったのだ。
ここは飛行機の中。
「よし、もうすぐ外国だ。母国を捨てるのは心苦しいが仕方がない。新天地でまた金を儲けるとしよう」
しかしそうもいかなかった。
何かのトラブルか、機体が大きく揺れた。
アナウンスによると、助かる確率は、ごくわずからしい。
「わたしももうお終いか。今までの天罰でも下ったのだろうか」
飛行機は山脈にぶつかり……。

そこで男は目が覚めた。
「何だ、夢だったのか。それにしてもリアルな夢だった。しかし、わたしが悪人だとはな」
その男はある大企業の社長だった。
彼はこの上なく善良で、正義感溢れる人柄だった。
「普段の反動で、このような夢を見るのだろうか」
男は服を着替え朝食をとってから、出勤のため家を出た。
その時、後ろから声がした。
「おっと、動かないでもらおう」
「だれだ」
「殺し屋さ」
大企業の社長ともなると、殺したいとひそかに思っている者も少なくない。
「あばよ」
わたしももうだめか。弾丸が、男の心臓をつらぬく……。

そこで目が覚めた。
「なんとまたリアルな夢だ。しかし社長とは」
その男は犯罪者。
殺人を犯してしまい、もう数時間とこの世にいれないのだった。
「いつの間に寝ていたのだろう」
そして、処刑の時。
「何か言い残す事はないか」
「ありません」
そして男は死んだ。

そこで、目が覚めた。
ここは飛行機の椅子でも、豪華なベッドでも、牢屋の中でもなかった。
機械的なベッドの上に、男は寝ていた。
いままでの夢はこのベッドが見せていたのだった。
新しく開発された、リアルな夢を見せる機械。
しかし男は起き上がろうとしなかった。
これが夢でないという証拠はどこにもないではないか。



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無修正投稿掲示板
2011.11.21 少年の言葉
ある小さな国の小さな村に、動物と話せる少年がいた。
少年はとても純朴で、動物にも村の人にも、愛されていた。
この少年のおかげで、村の家畜は皆おとなしく、野犬も家畜を襲うこと無く、大変平和だった。

ある日、少年の力に目を付けた大きな国の人間がやってきた。
小さな村の人たちは、必死に抵抗したが、敵うはずもなく、少年は無理矢理つれていかれてしまった。
大きな国についた少年は、鉄でできた施設に入れられ、外に出ることも許されなかった。
無機質な施設の中、少年は故郷を思い、ひどく落ち込んでいた。
そんな少年の心を感じた動物たちは、少年のいる施設の前で、鳴き続けた。
その動物達の悲痛な叫びに、少年の解放を望む人々もでてきた。
しかし、意固地になった大きな国の上層部は、無慈悲にも動物達の殺害を命じた。
次々と消えていく動物達を感じながら、少年はひどい怒りを感じていた。
しかし、少年にはどうすることもできない。

無力感を感じながら窓を眺めていると、一匹の虫が張り付いた。
虫の声は聞いたことがないが、少年はありったけの思いでその虫に念じた。
(この酷い国の人たちを、懲らしめてください)
そんな思いを、知ってか知らずか虫はどこかに飛んでいってしまう。

翌日、その国に黒い影が覆った。
蜂や蝶、バッタにムカデ、ありとあらゆる虫たちが少年のいる施設に集まり始めた。
それだけではない、他の場所にも虫は大量に現れた。
田舎では畑は食い荒らされ、町では仕事場に虫が現れ仕事もできない。
恐怖を感じ、少年を解放するべきだと言う人もいた。
しかし、ほとんどの人は少年にした仕打ちを棚にあげ、被害をもたらした少年に処罰を望んだ。
そうして、少年は国を乱した罪により、死刑になってしまった。
国は処罰の日まで、また悪さをしないように施設は大きな壁に覆われ、虫も一匹残らず殺してしまった。

耳を澄ましても、なにも聞こえない。
すがるものがなくなった少年は、神に祈る。
(私が何をしたのでしょう、私はただ静かに暮らしていただけです。この国の人達は、世界で一番自分達が偉いと思っています。あなたの力で、この国の人たちを懲らしめてください)
しかし、そんな思いも虚しく、少年は次の日殺されてしまった。

だが、少年の願いはある形で実現する。
大きな国の人々が、次々と病気で死に始めたのだ。
有効な対処法も見つからぬまま、病気は爆発的な勢いで広まり国の人口は激減し始めた。
人々は神に祈った。
しかし、細菌に思いが通じる人間は、誰一人いなかった。



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2011.11.21 懐古
ある絵描きが昔自分が住んでいた故郷を懐かしみ絵に描いてみることにした。
彼がまだ少年だった頃、よく絵を描きに行ったあの高台からの風景を思い浮かべる。
山には杉の苗がたくさん植えられていて、川の水は工場の汚水で濁っていたはずだ。
彼はさらに記憶を辿って絵を書き足していく。
山のこの辺りには広いあぜ道が町まで通っていて自分の育った家は大体この辺にある…
しばらく時間をかけて彼は記憶を頼りに一枚の風景画を描き上げた。
この町を知らない人がこの絵を見てもよくある風景画だと思うだけなんだろうな、と思ったが絵に詰まった思い出から彼は満足感で満たされていた。

それから数十年が経った。
歳をとった彼は再び少年のころ過ごした故郷を絵に描いてみようと記憶を辿る。
しかしずいぶん昔住んでいた故郷だったので、その際いつだったか若いころに描いた故郷の風景画を参考にしようと探してみる。
ようやく出てきた自分で描いた絵を久しぶりに眺めてみると、彼はあれこれ物足りなさを感じ出した。
杉はこんなに小さくなかったのではないか…
川の水はもう少し澄んだ色をしてはいなかったか…
町ももう少し明るい色を使った方が存在を目立たせられるだろう。

彼は今思ったことを新しく描く故郷にそのまま反映させていく。
そして描き上がった風景画をみて彼は満足し、嬉しそうな表情を浮かべる。
しかしその満足は若かりし頃に故郷を想い絵を描いた時のものとは全く別の感情だった。




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2011.11.21 末期癌患者
ある病室に2人の末期ガンの患者が入院していた。
一人は窓側のベッド、もう一人はドア側のベッド。
2人とも寝たきりの状態だったが、窓際のベッドの男はドア側のベッドの男に窓の外の様子を話してあげていた。

「今日は雲一つない青空だ」
「桜の花がさいたよ」
「ツバメが巣を作ったんだ」

そんな会話のおかげで死を間近に控えながらも2人は穏やかに過ごしていた。
ある晩、窓際のベッドの男の様態が急変した。
自分でナースコールも出来ないようだ。
ドア側の男はナースコールに手を伸ばした。
が、ボタンを押す手をとめた。
「もしあいつが死んだら、自分が窓からの景色を直接見れる…」
どうせお互い先のない命、少しでも安らかな時をすごしたいと思ったドア側のベッドの男は、自分は眠っていたということにして、窓側のベッドの男を見殺しにした。
窓側のベッドの男はそのまま死亡した。

晴れて窓側のベッドに移動したドア側のベッドの男が窓の外に見たのは…

打ちっ放しのコンクリートの壁だった。



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2011.11.21 忌引き
「忌引き」

最近残業続きだ。
その日も残業で会社に残っていた。
すると携帯が鳴り出し、見ると実家の母からだった。
電話に出るといきなり
「○○!?おじいちゃんがたった今亡くなって…あんたこっちにこれる?」
じいちゃんは小さい頃よく遊んでくれて、俺も大好きだった。
「わかった、仕事終わったらすぐ行く。会社は明日休ませて貰う様に頼んでみるよ」
仕事を早めに切り上げ家に帰り、車のエンジンをかけ実家に向かった。
ここから実家までは夏の昼間でも3時間。真冬のこの時間なら4時間位かかるかも。

…2時間位走っただろうか。辺りはすっかり田舎で道路もアイスバーン状態。
同じ車線には俺の車だけ、対抗車もたまにすれ違うだけだ。
そんな雰囲気のせいもあり、睡魔が襲ってくる。
瞬きしただけでも眠ってしまいそうだ。
俺は眠たい目を擦りながらも必死でハンドルを握っていた。
ふと気づくと周りに懐かしい町並みが。
実家は次の角を曲がってすぐだ。
その角を曲がって実家の前に着くと家の前に誰かが立っているのが見えた。
何と死んだはずのじいちゃんだった。
訳もわからずとりあえず近寄るとじいちゃんが言った。

「お前も来たのか」




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2011.11.21 タイムマシン
N氏の、長い歳月をかけた研究がついに実を結んだ。
これまで人類の夢であり続けたタイムマシンの誕生の瞬間である。
「やった。やったぞ。僕はついにやった!」
N氏は一人歓喜し、己が努力の結晶であるタイムマシンを前に涙を流す。
「そうだ、こんなことをしている場合じゃない」
科学省にこれを伝えようと、N氏は電話に手を伸ばし、興奮気味にコールをかける。
コール音を聞いていると、N氏の思考はだんだんと冷静になっていった。その時、
「待てよ」
N氏は電話を切った。
「まだ試用を行ってなかった。科学省への報告はその後だ」
N氏はタイムマシンを腕にはめ、スイッチを入れた。
周囲の景色が眩い光に溶け込み、光がおさまると幾何学的な模様がN氏の周囲に展開される。
その背景に透けるようにして、何時とも知れぬ年代の何処とも知れぬ風景が猛烈な速さで差し替わりながら映っている。
N氏は黙々と飛翔先の条件を加えていく。
条件に当てはまるように、少しずつ目の前に映し出される風景の年代と場所が限定されていく。
やがて、N氏の望む景色がそこに現れた。
N氏は悪童のような笑みを浮かべて、ボタンを押す。
一瞬の闇が明けると、N氏はそこに立っていた」
十年前の、いつも誰もいない小さな公園だった。
"タイムマシンの試用"というのは、これから自らが行おうとしているイタズラに対して見てみぬフリをするための免罪符だ。
このタイムマシンが多くの人間に知られる前にちょっとだけ悪さをしてみようというN氏のささやかな出来心だった。
N氏は公園の脇の方まで歩き、そこの土に一握り分のビー玉をを埋めて、時代を元に戻す。
再び土を掘ると、
「あれ?」
何もなかった。この十年の間に誰かが掘り起こしたのだろうか。
N氏はまた元の時代へ遡る。だがそこにもビー玉はなかった。
かれこれ、何日間も同じようなことを何度も行ったが、過去の改変は叶わなかった。
そんなことを続けているうち、N氏はある事実に気付いた。
それは、自分が開発したものがタイムマシンではないということだ。
時間を遡行できる装置をタイムマシンとするなら、N氏が開発したものは平行世界へ飛翔できる装置である。
数億数兆もの「場合」によって枝分かれした世界を自由に行き来できるということだ。
あの時の自分は、無数の過去の内の一つと無数の未来の内の一つを渡っていたため、ビー玉のある過去、または未来へ飛ぶことができなかったのである。
それを実現するには一生をかけたとしても難しいことだろう。
自分がタイムマシンだと思っていたものは、実はそうではなかった。
だが、N氏はさほど落胆しなかった。
むしろ、その目はぎらついていたのだ。
それに比べれば、イタズラをする前の悪童の目などかわいいものだ。
「僕はとんでもないものを発明したぞ」
その事実が判明した日から、N氏は無差別に過去と未来へ飛んで銀行強盗を働き始めた。
その世界で犯人を捜してもその犯人はすでに別の世界へ飛んでしまっているのだから絶対に捕まりっこない。
やりたい放題できる。
ほんの数週間で、N氏は街一番の大金持ちとなりついに高級住宅地で邸宅を建てるに至った。
しかし、そんな優雅な生活は突如として終わりを告げることとなる。
ある日、警察がやってきたのだ。
「銀行強盗を働いたNだな。逮捕する」
N氏は、警察の言った罪状に狼狽しながらも厳しく声を荒らげた。
「何を言っているんだ。僕は強盗なんてやっちゃいないぞ。証拠はあるのか」
「防犯カメラにお前の姿がはっきりと映っている。さあ来い」
手錠をかけられ、N氏は連行される。
なぜだ。自分が捕まるはずはない。ましてや防犯カメラに映っているなどありえない。
この世界では、自分は何の悪さもしていないはずではないか。
そう考えたとき、N氏は一つの可能性に思い至って、ついに観念した。


「なるほど、どこか遠くの世界にいる僕が、この世界にやって来たわけか」




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2011.11.21 二人の男
「被害者」
目の前から全身黒尽くめの男が歩いてきたんです。
この暑いのに黒いコートを襟を立てて着て、黒い帽子を目深に被っていました。
妙にキョロキョロしていて挙動不審で、直感で今ニュースで話題の連続殺人鬼だと分かりました。
細い路地裏でばかり起こる連続通り魔です、あなたも当然知ってるでしょう?
だから警戒したんです、その男を注意深く観察しながら私は道路を渡り反対側の歩道に移動したんです。
そしたらそいつも移動しました。
私はリュックからペーパーナイフを取り出しました。
たまたま持っていたんですよ。
それを隠し持ち、いつ襲ってきても反撃できるようにしてました。
すれ違った瞬間は何もしてきませんでした。でもしばらくしてその男は私を追いかけてきたんです。
当然逃げましたよ。
それであのアパートの前で追い付かれて肩を捕まれたのでペーパーナイフで刺したんです。
ええ、そうです。首を。はい。
それが全てです、でもこれは明らかに正当防衛でしょう?
やらなければこっちがやられていた。
それに私が襲われたのはこれが初めてじゃない。
今まで何度も同じように襲われて。
だから護身用にサバイバルナイフを、え?こっちは命を狙われているんだ!
あんた達は何もしてくれなかっただろう?警察なんか信じられない!
自分の命は自分で守る、もう奴らの殺し屋を五人も殺してやった!
あいつ等もこれで分かるだろう!俺を殺すことなど出来ないと!


「加害者」
あぁ~
あれ絶対いかさまだよなぁ。
何で三回連続でフォーカード出るんだよ。
しかも四人揃って。そんな腕あるならラスベガス行けってんだ畜生。
あぁ、暑いよ~、なんで真夏にこんな格好しなきゃいけないんだよ…
まあ罰ゲームだからだけどな。黒は熱を吸収すんだよなぁ…
さっさとコンビニ行ってアイス買ってこよ…うわぁ、前から人来ちゃったよ。
恥ずかしいな、くそーこっち見るなよ。うわー恥ずかしいよ、おい。
なるべく見ないようにして、道路の反対側に移動しよう…っておいこら。
お前まで移動してどうすんだよ馬鹿。
まずいよなぁ、警察とか呼ばれたらどうすんだよ。
やばいやばい、目立たないように…
だめだ暑さで頭が全然回らないよ…
もう目の前まで来てるし、こっち見るなよ。
あっ、財布落としやがった。
くそっ無視するか…いや、ここで親切さをアピールして罰ゲームと言うことを説明
…うわっ走りやがった。
待てよ、おい、財布を落としたぞ!待てって速いなこいつ。
だが元陸上部のオレを舐めるなよ!!
おら、追いついたぞ。
あんた財布を…?
あえ?何だ、首になんか当たってるみた…え?
血か?オレの血か?うわまじか、足に力が入らないな。何だ。
痛いな、くそ、痛いよ。
おっ、何かアパートからおばちゃんが出てきたぞ。
おいおい叫ぶな叫ぶな、まず救急車を呼びなさい。
叫ばないで救急車。
救急車を呼んでこのオレの体を…あれ?…オレのか…ら………だを…




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オナニーでしかイケない変態女
2011.11.21 人生教科書
恋愛も仕事も何をやっても上手くいかない。
そんな彼は、ある日家の掃除をしていたら、子供のころに知らない人からもらった手製の人生教科書を発見する。
その教科書に載っていたことは、自分の最近の出来事を振り返っただけでも、こうしていればよかったなと思えることばかり。
驚くことにこの教科書には未来の事も書かれている。
人生が何もかも上手くいっていなかった彼はその教科書を順番に読んで実行することにした。
すると、その教科書に載っている通りに事が運び出し、人生が成功しはじめる。
恋愛も、仕事もなにもかもが充実した。

そして教科書の最後のページを読んだ主人公は絶句した。

「あなたは今死ぬべきです」

教科書にはこう書かれていた。
「なんで今死ななければならないんだ?」
今までは教科書に書かれたことを忠実にこなしてきた彼だが、そこでその教科書を破りすてた。

そこから彼にありとあらゆる災難が襲い掛かった。
そして最後には、恋人にも捨てられ借金まみれになった主人公は昔自分が破り捨てた教科書の最後の一ページを偶然発見する。

「確かに…こうしていればよかったな」


彼はそう思いながら、首を吊って自殺した。




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2011.11.21 回想タクシー
深夜、男がとぼとぼと歩いていた。
汚れた靴に乱れたネクタイ、皺々のスーツ。
息は酒臭く、足取りも危うい。

そこに車の急ブレーキが響く。
目の前にタクシーが止まっていた。
歩くのも疲れたので男は車に乗り込む。車はすぐに出発した。
「こちらは回想タクシーです」
行き先を告げようとすると運転手がにこやかに言った。
「今までの人生でもう一度行きたい所はありませんか?」
男はしばらく考え、それから5年前のある日付を告げた。
その日男は幼稚園に入ったばかりの娘を連れて公園に来ていた。
滑り台で遊ばせていると仕事の電話が入り帰らなければならなくなった。
来たばかりなのにと嫌がる娘。仕事のストレスもあり男は
「じゃあ勝手にしろ!お父さんは帰るからな!」と置いていってしまう。

娘はそのまま帰らなかった。
警察は不審者の犯行と決めた。
男はなぜあの時おいて帰ってしまったのかとずっと後悔していた。
「パパなんか大嫌い!」と叫んだ娘の声が今も耳に残っている。
精神的に不安定になり仕事もうまくいかず、妻とも離婚した。
不幸の発端であるあの日に戻ってやり直したかった。

景色が変わる。公園の入り口で娘が泣いていた。
男はタクシーから降りようとするが、ドアロックがかかっていて降りられない。
仕方なく窓を開けて娘の名を呼ぶ。
娘は走り寄ってきて涙目で手を伸ばした。

「パパ、ごめんなさい。嫌いなんて嘘だよ。大好き」
「パパこそ悪かった。もう置いていかないよ。一緒に帰ろう」
窓から抱え上げると娘は笑った。


「お客さん、そろそろいいですか?」
男はゆっくりと頷く。車は再度走り出す。


回想タクシーは人生に一度だけ乗ることが出来る。
車が走り去ったあとの深夜の道路には、ひき逃げされた中年男が横たわっていた。
引きずった痕跡さえある遺体は穏やかな表情で事切れていた。



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