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2011.11.12 第41夜~第51夜
第41夜
「別人」



俺は視力がすごく悪いし色盲。そのうえ正直、耳も悪い。

俺と彼女は車事故を起こした。俺はしばらく入院した。
一緒に退院した彼女は優しく声をかけてくれたが、えらくやせてしまってた。
まあそれでも俺のこといたわってくれるので去年、結婚した。

…最近気づいたんだけど、やっぱり別人だと思うんだよ。俺の嫁。
事故を境に、やっぱり別な人になってると思うんだ。

鈍すぎるとかバカとか言われるかもしれないけど…
俺、こういう風に知覚が弱いから。人は雰囲気くらいでしか判断つかないんだよ。
体臭がまず変わったし、肌もなんか急に年を取った気がする。
俺は「女子ソフト部出身」だと聞いていたが「部活はしてなかった」というし、とにかく昔の話を避けたがる。
昔は首に大きなホクロがあって「チャームポイント」だっていってた。
そんで今の嫁には首になんのホクロもない。

すごく長い複雑な事情があるんだけど結論を言う。
嫁は別人だった。法的にも。
俺は相手が何者か知らないままに結婚した愚者だった。
もう、なんかショックで書く気になれない…
これからどうしたらいいんだ…もうだめだ…
仕事もなにもかも辞めてこのまま消えます。
第42夜
「異次元体験」



風邪ひいてて寒気がするので、大久保にある病院に行くため西武新宿線のつり革につかまってた。
で、あたまがぐわんぐわんと痛くて、目を閉じて眉間にしわ寄せて耐えてた。
そこで記憶が途絶えて、気がついたら夕方で、あたりは見知らぬ景色。
買ったことない服着てて、髪染めたこともなかったのに茶髪になってた。
パニクって近くのラーメン屋に入って、ここどこと聞いた。大阪市の福島駅の近くで、時間が一年近く経ってた。ケータイの種類が変わってた。
アドレス帳には、「ま」とか「ひ」とか、一文字の名前で電話番号が10程度あったけど、知り合いや実家の電話番号がない。
俺はなぜだか知らないがその知らない電話番号が恐ろしくて、川に捨てた。
警察から実家に連絡した。向こうもパニクってた。俺に捜索願が出てた。
とにかく、帰って、今もまだ月一で精神病院に通ってる。
仕事は元の会社には帰れないみたいだったので、今は派遣やってる。



第43夜
「違和感」



少年が小学校から帰宅した。

「ただいま」

少年はランドセルを自室に置くと、リビングへ直行した。
台所では、トントントンと包丁を叩く音が響いていた。
少年は16:00~19:00までビデオゲームをしていた。
覚えている限り、少年は2度トイレへ行き、ゲームの攻略法を聞きに、 台所前の廊下(玄関から続く)にある電話の子機を取りにリビングを離れた。
ちなみにゲームをしていた時刻は概算ではあるが、少年はほぼ間違いないと言っている。

「お母さん、今日の夕飯なに?」

少年はテレビに目を向けたまま、母親にたずねた。
親は料理の準備をしているのか、返事もせず包丁で叩き続けていた。
少年は母親はあまり機嫌がよくないと思い、無視されても気にしなかった。
ゲームに飽きた少年はテレビ番組を見つつ、19:35あたりに風呂に入ろうとした。
風呂釜には水も張っておらず、文句を言おうとしたがやめたという。
風呂がわきテレビを見るのをやめ、20:00ほどに少年は風呂に入った。
風呂場で遊びながら、少年は空腹を感じたという。
風呂からあがって上半身裸のまま、少年は台所へ向かう。

「お母さん、晩ご飯まだ?」

少年はそのとき、初めて違和感に気づいたという。

「……おばさん、誰?」



第44夜
「マイナスドライバー」



私がまだ4~5歳の頃の話です。
当時家には風呂が無く、よく母親と銭湯に行っていました。
まだ小さかったので母と女湯に入っていました。
或る日のこと、身体を洗った後飽きてしまった私は、湯船の 中でプールよろしく遊んでいました。
今迄気付かなかったのですが、湯船の横から階段状になりドア が付いているんですね(何処もそうなのかも知れません)。
私はふとそのドアが気になって段々を昇りドアの前まで行った。
ドアノブの直下に大きな鍵穴があるのです。
ワクワクして覗きました。・・・・・向こう側は何かに覆われて見えない。
なんだ、ツマらない。いったん顔をあげました。
何を思ったかもう一度鍵穴を覗き込んだのです。
ぼんやりとした明かりの中、ボイラーとおぼしき器械が見えました。
おわースゴい。夢中になって覗いていました。
ドアの向こうの気配、それとも何かが知らせてくれたのか…
突然、私は目を離し身を引いたのです。
そして次の瞬間、鍵穴からはマイナスドライバーの先端が狂ったように 乱舞していました。
……
私は息を呑みそこを離れ、コワくて母親にさえ話すことが出来ませんでした。



第45夜
「NHK教育TV」



多分幼稚園の頃だと思う。
NHK教育TVでなんか人形とおじさんが出てくる番組を見ていた。
おじさんが「どう?わかったかな?」と言ったので TVの前で「わかんない」とつぶやいた。

するとおじさんが「そうか、わかんないか…」と言って こっちを見つめたまま動かなくなった。

30秒くらい目を合わせた後怖くなって台所にいる母親のところにいった。
怖くて説明できずにエプロンにしがみついて震えていたのを覚えている。



第46夜
エレベーターの少女



数年前の話。

とあるマンションのエレベーターが何故か動かなくなって、管理側もそれに 気付かず中にいる男と少女が閉じ込められるっていう事件があった。

閉じ込められた状態で5日間過ごしたんだけど、ついには耐えきれなくなって 無理やりドアから脱出しようとしたんだって。
当然少女もたすけなきゃならないから少女をおぶって出ようとしたらしいんだけど、 途中で少女が落ちそうになって、男が少女の腕を掴もうとしてそのまま落ちました。

で、エレベーターが復旧して、中にしばらく生活していたような跡があったから 警察が調べてみたらエレベーターの一番下ってか底で男が重体の姿で発見され、 保護されたんだけど、その横には白骨化した少女の遺体があったんだって。

男は生きてたのに、少女だけ白骨化してたんだってさ。
男が少女を食べたりしたわけじゃなくて。


閉じ込められた時の監視カメラの映像には男しか映ってなかったらしいけど…



【解説】
この少女は最初からこの世の者ではなかった。




第47夜
鼻歌



現在も住んでいる自宅での話
今私が住んでいる場所は特に曰くも無く、昔から我が家系が住んでいる土地なので この家に住んでいれば恐怖体験は自分には起こらないと思っていました。
ここ最近ですが、リビングにいると昼夜を問わず、 女性の低い声で鼻歌が聴こえてきます。

「ん~…ん~ん~…」

最初はよ~く耳をすまさなければ気づかないほどに遠くから聴こえてくるのですが、 放っておくとどんどん近づいてきます。

「ん~…ん~ん~…」

それでも放っておくと、意識を集中しなくても聴こえるほどに近づいてきます

「ん~…ん~ん~…」

なので私は、その声に気づいたらいつも般若心経の最後の部分を 繰り返し唱えるようにしています。
とにかく般若心経の「ぎゃーていぎゃーてい」のくだりを唱え続けると、 声はだんだん遠ざかっていきます。
このリビングではテレビにも集中できません。
声が聴こえ始めるのは完全に不定期ですし、早く声に気づいて 般若心経を唱え始めなければ、時としてそれは部屋にまで入ってきます。

「ん~…ん~ん~…」

そういえばこの前、大好きなバンドのニューアルバムが発売されました。
発売日を楽しみにしていたので、お店で買った時はもうテンションアップ!!
さっそく家に帰ってヘッドフォンで聴いて、一通り聴き終え、 よかったな~と余韻に浸りながらヘッドフォンを取ったら耳元で

「んーーーーーーーーーーーーーーー」
って。



第48夜
「這い上がってきた男」



奈良県の大峰山地は近畿の屋根って呼ばれてる。
それはそれは山奥の天川村と上北山村の境に行者還トンネルってのがある。
一応国道の309号線だけど車がすれ違い出来ない幅員の場所も多く酷道とか言われてる。

有名じゃないけど一部ではここより怖いトンネルは無いんじゃない?と超1級心霊スポットと呼ぶ人もいる。
まあトンネル自体ではなく、上北山村の169号線から309号線に分岐する辺りからトンネルにかけての話だけど…

このトンネルってか309号線は天川村側のトンネル出口から169号線の近くまで冬季通行止め。
以前は冬季通行止めじゃなかった。
凍結してスリップして崖から落ちた車が多数。

地元の人も避ける道。
でも169号線がよく大きな落石で通行止めになって迂回路が309号線しかなく夜でも通らざるを得ないことも多い。

169号線から309号線に入ってしばらくすると崖の上をクネクネ縫うような登り道になる。
昼間は絶景だが夜は真っ暗闇で車のライトしか明かりはない。

ビクビクしながら走ってると遠くだが山を下ってくる車のライトがチラッチラッと見える。
一本道だからしばらくするとすれ違うはずだが一向に対向車は来ない。

あれっ?おっかしいなあ…

と思いながら走っていく。
そして急なカーブを曲がって目に飛び込んできたのは…

崖から血を流した男性が路肩に這い上がってきた。
目が合ってしまった瞬間…

うわ!

男性の腕をひいてしまった。
車を止めて男性がいた場所に駆け寄る。

男性がいない。

ひき逃げする気はないが山奥過ぎて携帯は圏外。交通量も夜間はゼロに等しい。
急いで里まで降りて警察に電話。警察官と一緒にまた現場に戻る。
しかし、あれだけ血を流していたにも関わらず血痕がない。

「ホンマにここ?」
まるで狂言扱い。

しかし数日後、警察から連絡があった。

「車が転落してました。
ただ…死亡推定時期が半年ほど前なんです。
ただ気になるのが…
腕の骨が折れてるんですが…亡くなってから折れたようなんですよ。
警察がこんなこと言うのおかしいですが見つけて欲しくて崖をよじ登ってきたのかも…」


生きた人間を轢いたんじゃなかったらしい…



第49夜
自動車事故



男2人、女2人が深夜のドライブに出かけた。
この4人は最近出会ったばかりで、男達は少しでも自分達に女の気を惹きたいと考えていた。
そこで男達は、心霊スポットに行かないかと言い出した。
真夜中の密室で、少しでもお近づきになりたかったのだ。
女達はあまり乗り気ではなかったが承諾した。

その心霊スポットは海岸沿いをしばらく走った後にある。
海岸沿いを走っている時は夜の海もキレイで、ドライブを楽しんでいた。
だが、しだいに道は険しくなり、車の数も減っていく。
雰囲気も徐々に怪しくなっていく。

ここで運転していた男Aが調子に乗ってアクセルを踏み込んだ。
「キャハハハー!」「やめなよー!!」
そんな事も言い合いながら4人は楽しんでいたはずだった。

だが、次のカーブを曲がりきれず、車はガードレールに突っ込んだ。
男Aが目を覚ました時、そこは病室だった。
「あっ、起きた!」
「よかった」
他の3人が男Aのベットを囲んでいた。
幸いにも4人は無事だったのである。
男Aは泣きながら謝った。
「調子に乗ってごめん」
他の3人は、怒りながらも無事だったんだから、と言った。

そんなことがあっても4人は休日一緒に遊ぶなど仲がよかった。
けれども、あの日以来、4人で遊んでいる時に男Aの様子が少しおかしいのだ。
すれ違う人が、奇妙な目で見てくるのだという。
他の3人は「心霊スポットでふざけるから、何かに祟られたんじゃないか」何てからかっていた。
男Aはしばらくその事を気にしていたが、次第に気にかけなくなっていた。

それから日は経ち、ある日の休日、4人は遊んだ帰りの車の中だった。
男Bが
「そういえば、あの事故からちょうど1年ぐらいだね」
と言った。
女達が
「あったねそんなこと。あの時は死ぬかと思ったよー」
それに対し男Bが
「なぁ、もう一回あの場所に行ってみない?あの時、結局最後までいけなかったじゃん?」
と言い出した。
男Aはあの事故の責任を感じていたので、あまり乗り気じゃなかったが、他の3人が「行こうよ!」というので仕方なく車を走らせた。
道中は1年前と同じく穏やかだった。けれども次第に口数は減って言った。


男Aが確認すると、他の3人は疲れからか、寝ていたのだった。
仕方なく男Aは一人で音楽を聴きながら車を走らせ、あと少しで事故現場というところまで来たので、3人を起こそうとした。
男A「おーい、起きろよ」

…返事はない。
次の瞬間、男Aはパニックになった。
ブレーキがきかないのである。
「ちょっとお前ら起きろ!ブレーキがきかない!!」
「おい!」
と叫びながら横を見た。


三人の顔が真横にあった。それも笑っている。
そしてぽつりと男Aに向かって3人は言った。
「何でお前だけ生きてんの?許さないから」

車は1年前と同じ場所で事故を起こし、車は大破した。
翌日、新聞のニュースで訃報が流された。


第50夜
入り込んでいた声



三人の大学生が肝試しのために近所でも有名な心霊スポットの「○○家」と呼ばれる廃屋にやってきた。
そのうちの一人がビデオカメラを持って探索の記録を録ろうとした。
そしてほかの二人がテレビのレポーターのようにマイクを持つ振りをしながら廃屋へと入っていった。

「どうもー××でーす!おじゃましまーす!」
「怖くてあまり人が来ていないのでしょうか、あまり散らかってはおりません」
「これはなんでしょうか?どうやら指輪のようです。ルビーでしょうか?」
レポーター役の一人が居間の隅に落ちていた青い指輪を拾った。
意外な掘り出し物に3人は喜んだ。
そして特に心霊現象もないために廃屋を出ることにした。
もちろん指輪は持って帰った。

「どうも、指輪までありがとうございましたーおじゃましましたー!」
さっそく三人は部屋でさきほど録ったビデオを上映した。
「しばらくしたら指輪は売りにいこうぜ」等と軽口を叩きながら再生ボタンを押した。

廃屋の前でマイクを構えた振りをしている一人が映し出された。
おまえテレビ写りわりーなー等と冗談を言っているうちに廃屋へ入るシーンになった。

「どうもー××でーす!おじゃましまーす!」
「いらっしゃい」

女性の声が入りこんでいた。
三人は固まったままビデオを見た。

「怖くてあまり人が来ていないのでしょうか、あまり散らかってはおりません」
「ほめてくださってありがとうございます」

「おっとこれはなんでしょうか?どうやら指輪のようです。ルビーでしょうか?」
「うちの家宝のルビーです。持っていかないでくださいね」

しかし、指輪はレポーター役のポケットに入れられて廃屋を出るシーンになった。

「どうも、指輪までありがとうございましたーおじゃましましたー!」
「ちょっと待て!」


低く、ドスの利いた声が飛び込んできた。
Secret

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