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2011.11.12 第61夜~第70夜
第61夜
「妖怪百物語


自分の友人たちと「妖怪百物語をやろう」ということになった。
怖い話100本を、1本やるごとにローソクを消してくというもの。

100の話が終わって、100本ロウソクを消すと、幽霊が現れるっていうものを期待しながら、怖がりながら始めた。

当日はなんと25人集まり、妖怪百物語を始めることにした。
しかし、100本終わってロウソク消しても何も起らなかった。

帰り道

「何も起らなかったな。やっぱりウソだったんだよ」
などと話しながら帰っていたところ、

「最後、順番回ってこなかったな」
って言う奴がいるの。

えっ?
25人いるんだから、順番回ってこないわけない。
それで、録ってたテープを再生してみると1人だけ持ち主のいない話があって、よく聞いてみたら、
「俺、おととい死んじゃってさ…」って話してた…
第62夜
「ありふれた情景」



ありふれた情景。これも一種の幸せなのかもしれない。
弟と母さんと3人の夕食。
会話もほとんど無いんだけど、ちゃぶ台を囲んで黙々とご飯を食べるのも、平和な証拠なんだろう。

父は物心ついた頃には家には居なかった。
なぜ父は居ないのかなんて母さんに聞いたこともなかった。
必要だと思ったこと無かったし。

母さんは過労気味で最近病気がち。
よく寝込んだりするので心配。
物忘れもも激しいし。

でも一生懸命俺や弟の面倒を見てくれる。
早く楽にしてあげたいんだどね。
弟は来年、医大を受験するそうだ。
医大を卒業して、俺が患っている病気を治す医者になるんだって言ってくれた。
「俺の事はいいから、自分が本当にやりたい事をやれよ」と言うんだが、聞く耳もたない。
つうか聞かない。

それでも、自分の自慢の弟なわけだが…


最近気づいたんだけど、ご飯の時は俺だけおかずが無いんだよ。

母さん、大丈夫かな。



【解説】
主人公の彼は死んでいる



第63夜
やっと見つけた



夢の中で俺は葬式の招待の手紙を受け取った。
それが誰の葬式か分からないが、行ってみることにした。
その家に行ってみると、俺と同じく招待された人が家の前に1列に並んでいる。
何故こんなに並んでいるのかと先頭を見ると、なんと家の前に改札口があるではないか。
皆一様にその改札口に招待の手紙を入れて通過し、家の中へと入っていく。
改札口の隣には、その家の者と思われる黒い服を着た長い髪の女の人が立っており、改札口を通過する人達に向かっておじぎの姿勢で「ありがとうございます」を繰り返している。
いよいよ俺の番が来て、皆と同じように改札口に招待の手紙を入れた。
「ピンポーン」
いきなり改札口が閉まりあせる俺。
すると隣に居た女の人が俺の腕をガシッと掴んできて俺を睨みつけた。
その女の人の目は人間の目ではく、まるっきりヘビの目をしていた。
ひるむ俺にその女は凄い形相で口を開いた。
「やっと見つけた」
ここで俺は飛び起きたが、心臓はもうバクバク状態だった。

話はここで終わりだが、幽霊をよく見るというBにこの話を俺の部屋で聞かせた時
「そんで起きたとき、ふと隣を見るとその女が立ってたんだよ」
と怖がらせようと冗談を言ってみた。
するとBが真剣な表情で部屋の隅を指差し

「分かってるよ。今もそいつ、あそこでお前のこと見てるもん」



第64夜
「誤作動」



僕の家は母子家庭で、母親が仕事から帰って来るのはいつも深夜だった。
その間、僕は受験勉強をしたりして過ごす。

24:00頃になると、母親は仕事が終わり、僕の携帯に電話してくる。
「今から帰る、何かコンビニで買ってくる?」そんな内容。
その日は「別にないよ。」と電話を切る。

数分後、生活用品が切れてたのを思い出し、着信履歴からかけ直した。
3~4コールしても出ず、「運転中か・・・しょうがないな・・・」と思い、諦めようとしたその時、通話モードになった。
僕:「あ、もしもし。お母さん?」
母:「スゥー・・・スゥー・・・(鼻息の音)」
僕:「おーい、聞こえてる?」
母:「スゥー・・・スゥー・・・」
車の走行音や、運転をしているような環境音は一切なし。
鼻息の音だけが受話器の向こうから聞こえてくる。
別に恐ろしくはないが、何か不可思議な現象に困惑し僕は電話を切った。
間違ってかけてしまったか?
いや、履歴から電話したし発信履歴も母になっている。
じゃあ、母が何かの拍子で通話ボタンを押したのか?
鼻息が聞こえるほどの口元で?それに走行音やら雑音がするだろうし。
回線の混線か…? と、当時の僕が出した答えは、腑に落ちないながらも混線説。

一応答えが出たことで冷静になり、もう一度電話してみる。履歴からじゃなく。
出ない。やっぱり運転中なのか。諦めて机に向かう。参考書に目を通す。
と、もう1つの可能性を思いつき、心配性の僕の胸の鼓動が早くなる。

もしや、事故にあったとか。
僕は混乱していた。警察か救急車か、それとも原付で探しに行くか?
僕は混乱していた。心配性な上に混乱していて、頭も胃もキリキリマイ。

そうこうしていると、母親の車の音が聞こえてきた。
「なんだ・・・よかった・・・そりゃそうだよな・・・」ほっとする。
車が車庫に入り、ドアが開き閉まる音。「バタンッ、バタンッ」、と2回。
僕はちょっと不思議に思った。

いつも母が車から降りる時のドアの音は1回のはず。
それに今日は買い物もしてないはずだし、荷物もないはず。
不思議になりながらも、安堵していた僕は玄関まで迎えに行った。

「ただいま」母が帰ってきた。荷物はいつものバック一個。
「ん」反抗期らしく僕は無愛想に返す。
居間に行き、電話したことを告げると、運転中で気付かなかった、と返されあの不思議な電話の事を話そうとしたら、母が先に話しだした。
どうやら怖い体験をしたようだ。

「S川知っとるやろ?ほら、こないだ4人殺された事件のやつ」
(当時、隣町で一家四人惨殺事件があり、死体は川に沈められていた)

「帰りにS川沿い通ってたんよ」
「そんで丁度死体が上がったあたりに差し掛かった時にね」
「プリウスがね、助手席のシートベルトをお閉めくださいって言うんよ」
「誰も乗ってないのにね。あんたこういうの好きやろ?」
僕はゾっとした。

僕の中で今までの不可解な現象が繋がったように感じ、ゾっとした。
今思うと、プリウスのセンサーの誤作動であろう事だがその日の僕には、なにか異様な恐怖が込み上げてきて勉強どころじゃなかった。

僕は恐る恐る母に尋ねた。
僕:「今日さ、車から降りる時さ、ドアの開け閉め2回したよね。なんで?」
母:「ん?1回しかしとらんよ」



煙突


数年前のことですが、私の職場にKさんという人が転勤してきました。
Kさんは、私と同じ社員寮に住むことになったのですが、しばらくして、私と雑談している時に
「寮の窓から見える高い煙突は何だ?」
と訊いてきました。その時のKさんは心なしか青ざめていたようでした。
私には心当たりはなかったのですが、同じ社員寮でも、私とKさんの部屋は離れていましたし、Kさんの部屋の窓から見える風景と、私の部屋から見える風景が同じとは限りません。
それに私もその土地では余所者でしたし、詳しい地理を知っていたわけでもありませんので、銭湯か何かの煙突でしょう、と適当に話を合わせ、その話はそれきりになっていたのです。
ところが、それからひと月ほど経って、Kさんが寮から程近い住宅街で死んでいるのが発見されました。
死体の状態は無惨なものだったそうです。
奇妙なことに、Kさんはかなり高い所から、墜落して死んだらしいのですが、Kさんの遺体が発見された付近は、住宅ばかりで墜死するほどの高所は見当たりません。
とはいえ、自動車事故でもなく、他殺の疑いはまったくなく、結局事故死として処理されたようです。

さて、私はKさんの本葬に参列するため、Kさんの郷里を訪れました。
Kさんの郷里というのは、九州のある海辺の町だったのですが、遺族の方の車に乗せてもらって、Kさんの実家に向かう途中、海沿いの道路に差し掛かった時、現れた風景に目を奪われました。
そこには、古びた工場に、巨大な煙突が立っていたのです。
遺族の方によると、それはお化け煙突と言われる煙突で、かなり昔から町のシンボルとしてそこに建っているそうです。
私は何となく、Kさんが寮の窓から見た煙突というのが、この煙突ではないかと思えてなりませんでした。

ところで、私は最近たいへん不安な日々を送っています。
私の寮の部屋の窓から、高い煙突が見えるようになったのです。
心なしかKさんの郷里で見た、あのお化け煙突に似ているような気がしました。
煙突はかなり遠くに見えますので、以前からあったのに気づかなかった可能性もないとは言えません。
また、最近になってできた建造物かもしれませんが、私にはその煙突が最近になって忽然と現れたようにしか思えないのです。
職場の同僚に訊いてみてもあいまいな答しか返ってきません。

私には、あの煙突の近くまで行って確かめてみる勇気はありません。
皆さん、お願いです。今すぐあなたの家の窓から、外を覗いてみてほしいのです。
それまで見たこともなかった煙突が見えるということが、あったら教えてほしいのです。
いったいそんなことが、あり得ることなのでしょうか?



第66夜
「アイドルに送られたビデオ」



あるアイドルが握手会を開催した。
握手をする中、ファンからファンレターなどたくさんもらった。
握手会ではよくあることである。
しかし、今回は、ファンの中に一人、ビデオテープを渡してきた人がいた。

アイドルは気持ち悪いなぁと思いつつ、それでもファンでもあるんだから、と受け取ることにした。

後日、その話を聞いた友達がみんなで見てみようという話しになった。
そのアイドルはあまり気乗りしなかったが、友達と一緒に観るのであれば、ということで、その友人宅で観ることにした。

さっそく、友人宅でビデオテープをデッキにセットし再生した。
映っていたのは、小太りのいわゆるオタクっぽい男性であった。

その男性が普通の部屋のワンフロアで、アイドルが出している
CDの中の一曲に合わせて永遠と踊っているというものだった。

友人達は、

「キモ~い」などと爆笑していた。

しかし、一人そのアイドルだけは青ざめていた。

「どうしたの!?」

と心配する友人達は聞きました。

すると、アイドルは画面を指差してこう言ったのです。



「これ…私の部屋…」



第67夜
「どうすればいいでしょうか?」



質問:どうすればいいでしょうか
質問者:
質問日時:2008年9月20日

はじめまして。はじめて質問します。教えてください。
去年、中古住宅を、買ったんですが、家を買ってから、庭に茂っていた木を抜いたんですが、
庭のはしっこに、古い井戸が見つかったんですが、家を買った不動産屋からは、こんな井戸があるなんて、聞いていませんでした。
気持ちが悪いので、庭師の人に頼んで、埋めてもらったんですが、
この場合、不動産屋に、埋め立てにかかったお金を、出してもらえるでしょうか。
それと、井戸を埋めてから、ずっとよくないことが続いていて、主人は病気になってリストラされ、
私は子供を流産して、家の中は暗い雰囲気になっています。
義母からは、「お前が井戸を埋めたせいだ」となじられ、腹が立つので殴り殺して、井戸を掘り返して、埋めてやりましたが、
それでもまだ、家の中をうろつきまわり、夜は私が寝ている枕元で、恨み言を朝までしゃべり続けるので、ぜんぜん寝むれません。
ババアだけではなく、近所の住民たちも、電磁波を使って、わたしに文句を付けてきます。
テレビからも文句を言ってくるので、テレビも見られません。
こんなことになったのも、もともとはこんな変な井戸が、ある家を買った主人のせいなのですが、
こないだ、寝むっているときに首を絞めて、ババアと同じように井戸に埋めたのですが、
まだ、家の中をうろうろして、よるはババアといっしょになってうらみごとをいうのですが、
どうすれば、ババアもしゅじんもきえてくれるのでしょうか。
いまこのしつもんをかいているときも、ババアとしゅじんがよこからのぞぎこんでいるのですが、もううんざりです。
わたしはどうすればいいでしょうか。どなたかおしえてください。おねがいします。



第68夜
無音



飲み仲間達と心霊スポットへ行こうと言う話になり男2人女2人のベタな編成でベタな地元の怪トンネルに行く事になった。
トンネルにまつわる噂もよく聞くものでクラクションを鳴らすと霊が出る。
手形がべったり車につけられる、そんな都市伝説的なものだったのでたいして期待もせずワイワイと騒ぎながらAの車でトンネルへ向かった。
一番はりきっていたのはAで昔からの親友でもある。
手形がついたらすぐ解るようにと洗車までしてきたオカルト好きだ。
B子とC美は飲み友達でとくに霊感もなくノリで参加したようだった。
俺は友達とはいえ女の子とはしゃぎながらのドライブに満足していた。
軽くビールを飲みながら田舎の山道を走り30分ほどで問題のトンネルに到着
さすがに雰囲気は満点でAがトンネルに入る前に自慢の怖い話をして盛り上げる。
クラクションをピーピー鳴らして気合いを入れると徐行しつつトンネルへ進入していった。
中は明かりがついてるにもかかわらず妙に薄暗く全員口数が少なくなってきたところでAが
「よし!ここら辺でクラクションいくか?」と嬉しそうに言う。
女の子達は怖いね~と言いつつ嬉しそうだドキドキしながらAを煽る。

Aは「いくぞ~!」と言うと同時にクラクションを鳴らした。すると
「プヒ~ン」
とありえない程なさけない音がトンネル内を響いた。
全員大爆笑で「何この音??ww」「面白すぎww」と雰囲気ぶち壊しで大笑い。
ハマッタ俺達はクラクションを連打し337拍子をしてみたりと大爆笑
「プップヒップヒヒーン」と鳴らせば鳴らす程なさけない音が響く。
しかし異変はこんな大爆笑の中突然起こった。
突然全員が笑うのやめシーンとなった あれ?と思い後部座席の女の子達を見てみると口をぱくぱくとさせて笑っている。というより顔が笑っている。
俺の耳がおかしいと気がつくのに時間はかからなかった。
まったくの無音で喋っているつもりだが自分の声すら聞こえない絶対無音
AやB子C美に大声で助けを求めたところ、全員同じ現象が起きたらしく口をぱくぱくさせながらジェスチャーで耳が聞こえないと訴えてきた。
Aがガクガクと振るえながら大急ぎで車を走らせる。
俺は絶対無音の中恐ろしくて後ろも振り返れなかった…
何か見てしまいそうで怖かったからだ。
トンネルを抜けても無音は変わらずあ゛ーあ゛ーと騒ぐも何も聞こえない。

10分程走り山道を抜けたあたりで
「治った?」とB子の声が聞こえ異常な現象が終わったと確認できた。
B子とC美は後部座席で怖かったとワンワン泣きじゃくり、情けない事に俺も安心したのかボロボロと涙を流していた。
Aはトンネルから出る時点で泣いていたので全員で泣きながらのドライブとなった。
やっとコンビニを発見しホットコーヒーを買い落ち着いたところで全員でさっき起きたことについて口々に語りあった。
俺とB子、C美が興奮しながら何も聞こえなくなった事を熱く語っているとAが
「俺お前等おかしくなってすげー怖かった」とまた泣き出した。
実は何故かAだけは何事もなく聞こえていたらしく突然笑っていた俺達が大声で
「あ゛ーあ゛ー」「何コレ?何も聞こえない」「助けて!」
などと言い出し全員狂ったんじゃないかと思い怖かったんだと涙ながらに打ち明けた。

その後とくに何事もなく日々を過ごしているが、今でもトンネルを通ると思い出し洒落にならないほど怖いといっている。



第69夜
廃旅館トイレ



とある男性が友人と市外の山奥にある廃旅館にきもだめしに行った。
地元では有名な心霊スポットで壁には落書きがひどかったという。
その中にかなり怖いものがあった。


「シシシ死シシシシシ死シシシ死死ししししし
死シシ死し視ししし視しししししししし死ししし
シ死シシシシシ死し視シ死シシ視し死シシ死」


執拗なまでに部屋を埋め尽くす赤い塗料で書かれた文字。
天井にまで「死」

寒気がした。



そして…


その文字はまだ乾いていなかった。



第70夜
「母親からのメール」



この前、放課後に遊んでたら母親からメールが。

本文「やっほ~。初メールだよ(笑)」

そういえば携帯を買うと言ってたな。全く良い年して(笑)とか使って。
仕方ないからアドレスを登録、メールの受信音も分かりやすいように
黒電話にしといた。

そして「良かったな」と返す。
すると、すぐに返事が。

「今ケータイで分からないところがある(汗)」

「家帰ったら教える」とだけ打って、家路に着いた。

家に着くと、案の定母が四苦八苦してた。

母「ああ、ちょうど良かったよ」
俺「一体何だよ」
母「携帯買ったのは良いんだけどねぇ。電源入れたら操作出来ないの。せっかく買ったっていうのに」

何だ、ただのオートロックじゃないか。
俺はあきれながら初期ロック番号である「1234」を押した。

母「あ、操作が出来る!ありがとうねぇ。」

全く、これだから機械オンチは…
メールの文を打たすにも時間かかるな。こりゃ。

と、その時、俺の携帯が黒電話を流し出した。




【解説】
最初に主人公にメールしたのは誰…?
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